大気中の水分から飲料水を生み出す装置の開発
きれいな飲み水を得るには、地下水をくみ上げるか、水道管を引くか、ペットボトルを買うしかない、というのが水資源に対する一般的な理解である。
地下水や配管に頼るのではなく、どこにでもある大気中の水蒸気を凝縮させて、その場で飲料水に変える技術を作った。
Akvo Atmospheric Water Systems(アクヴォ)は、インド・コルカタに本社を置く企業で、大気中の水分から飲料水を生み出す「AWG(Atmospheric Water Generator:大気製水機)」の開発・製造・販売を手がけている。対象となるのは、地下水の枯渇や水道インフラの未整備に悩む一般家庭から、病院や工場、再生可能エネルギー施設まで幅広い。 同社の装置は、周囲の空気を取り込み、冷却して結露させることで水分を集め、多段階のろ過と紫外線殺菌を経て安全な飲料水に変える仕組みである。小型の家庭用ユニット(1日50リットル)から、1日3万リットルを生産できる産業用の大型設備まで、用途に応じたラインナップを展開している。 2018年の商用第一号機の設置以来、これまでに世界15カ国で2,000台以上のAWGを稼働させ、累計1億リットルを超える飲料水を生み出してきた。ムンバイのある病院では、Akvoの導入によって水の調達コストを22%削減した事例も報告されている。地下水をくみ上げることも、水道管を敷設することもなく、空気そのものを水源に変えるという発想が、この会社の核にある。
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