手のひら静脈認証システム
本人確認や支払いには、身分証やカード、スマートフォンが欠かせないというのが当たり前だった。指紋や顔による認証も、街中の監視カメラなどに無断で記録されてしまう恐れがあり、なりすましのリスクと常に隣り合わせだと考えられてきた。
カードや端末を持たなくても、手のひらを一瞬かざすだけで本人確認や支払いを完了できる仕組みに変えた。赤外線でしか読み取れない静脈の模様を使うことで、盗み見や偽造のリスクも小さくしている。
Alaqanは、手のひらの静脈の模様を使った生体認証の技術を開発するカザフスタンのスタートアップである。専用のセンサーが近赤外線で両手のひらをスキャンし、そこに映る血管のパターンを読み取ってデータベースに登録する。以後は手のひらをセンサーにかざすだけで、その場にいるのが本人かどうかを瞬時に判定できる仕組みになっている。 主な用途は二つある。一つは、オフィスや工場、病院、空港などの入退室管理や勤怠管理で、カードキーや社員証の代わりに手のひらでゲートを通過できるようにする「Alaqan Business」である。もう一つは学校向けの「Alaqan Mektep(Alaqan Education)」で、学生証を持たずに図書館の本を借りたり、食堂での支払いを済ませたりできる。カザフスタン国内の140校を超える学校で、給食費の管理などに使われている。 さらに、この技術を決済分野に広げる「Alaqan Pay」の展開も進めている。カードや現金、スマートフォンを使わずに、手のひらだけで店舗での支払いを完了させる仕組みで、銀行と提携しながら既存のQRコード決済などに代わる新しい決済手段として位置づけようとしている。読み取ったデータは暗号化されたコードとしてサーバーに保存されるため、情報が流出した場合でも元の静脈パターンを復元することは難しいとされている。
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