シントロピック農法(協働的森林農法)を用いた「食べられる森」の設計
農地を持続的に活用するには、単一作物を大規模に育てる従来型の農業か、あるいは自然をそのまま手つかずで残す保全か、その二択しかない、というのが土地活用に対する一般的な理解である。
単一作物か手つかずの自然かという二択ではなく、森の遷移そのものを模倣し、樹木・低木・多年草を何層にも重ねることで、生産性と生態系の回復を同時に成立させた。
Food-Forestry.com(運営:Byron Grows)は、ニュージーランドを拠点に、シントロピック農法(協働的森林農法)を用いた「食べられる森」の設計・施工・コンサルティングを手がける事業である。対象となるのは、荒廃した農地や小規模な自給用の土地から、リトリートや農家民宿としての活用を見込む商業的な果樹園まで、本気で自分の土地と向き合いたい所有者である。 同社の手法は、スイス出身の農学者エルンスト・ゲッチュがブラジルの熱帯地域で確立した「シントロピック農法(協働的森林農法)」を土台としている。単一作物を大規模に育てる従来の農業とは異なり、樹木・低木・つる植物・多年草・地被植物を複数の層に重ねて配置し、自然の森が持つ遷移のプロセスを模倣することで、劣化した土地であっても生産性と生物多様性を同時に回復させる点が特徴である。 創業者自身の家族が所有する1.5ヘクタールの柑橘園をシントロピックシステムへと転換した経験を出発点に、これまでニュージーランド国内外の数えきれない土地でこの手法を導入してきた。現在は、週次のライブ通話やトレーニングを通じたオンラインコミュニティの運営に加え、生産性を保ちながらリトリートや農家民宿としても機能する、農業を起点としたゲスト対応可能な農地デザインを主軸に事業を展開している。
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