2006〜2007年、アイスランドのレイキャビク・エナジー社、アイスランド大学、フランスCNRS(トゥールーズ)、米コロンビア大学地球研究所による共同研究として、レイキャビク・エナジー社のヘトリスヘイジ地熱発電所を舞台に始まった。地質学的な年月をかけてCO2を石に変える自然の岩石風化プロセスを、人工的に再現・加速できないかという問いが出発点だった。
炭素回収・貯留(CCS)の世界では、CO2を炭酸塩鉱物として固定するには数百年から数千年かかると考えられてきた、という当たり前(研究を率いた科学者自身も当初は8〜12年かかると見込んでいた)。標準的な手法は、CO2をガス状のまま地中深くの堆積盆地に注入し、長期にわたる漏洩監視を必要とするというものだった。
Carbfixは、回収したCO2を水に溶かして「炭酸水」にしたうえで、反応性の高い玄武岩に注入する。溶解したCO2は周囲の地下水より重いため、浮上して漏れ出すのではなく沈んでいく。玄武岩に含まれるカルシウム・マグネシウム・鉄と反応し、安定した炭酸塩鉱物を形成する。2016年のScience誌掲載論文では、注入したCO2の95%以上が2年未満で方解石として固化したことが確認されている。
鉄鋼・セメント・化学・アルミニウムなど排出削減が難しい重工業や、ダイレクトエアキャプチャー(DAC)事業者(Climeworks社との提携など)を対象に、CO2の恒久的な地中貯留を提供している。排出源でそのまま回収・注入する「ポイントソース・ミネラリゼーション」と、海外からCO2を船で輸入してアイスランドで鉱物化する「ターミナル・ミネラリゼーション」(Coda Terminal、2031年までに年間最大300万トンのCO2処理を目標)の2つの事業形態を持つ。
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