血液疾患を対象とした生体内(in vivo)ゲノム編集治療プラットフォームの開発
遺伝性の血液疾患を根本的に治療するには、患者の細胞を体外に取り出して編集し、化学療法で骨髄を空にしてから移植する、負担の大きい体外(エクスビボ)治療しかない、というのが再生医療の常識だった。
細胞を取り出して培養・移植するのではなく、ゲノムの中にもとから存在する冗長な配列を利用し、体内に直接一回注射するだけで治療が完結する仕組みを作った。
Immitra Bioは、スイス・ジュネーブ郊外のプラン=レ=ワットに本社を置き、チューリッヒ工科大学(ETH Zurich)内に研究開発拠点を持つバイオテクノロジー企業である。対象としているのは、7000以上存在するとされる希少遺伝性疾患のうち、特に重篤な遺伝性の血液疾患を抱える患者であり、その数は世界で4億人にのぼるとされる。 現在承認されている遺伝性血液疾患の治療法の多くは、患者自身の造血幹細胞を体外に取り出し、ゲノム編集を施したうえで、化学療法によって患者の骨髄を空にしてから再び移植するという、負担が大きく複雑な「エクスビボ(ex vivo)」の手法に依存している。Immitra Bioは、この工程を大きく転換し、単回投与の注射だけで治療が完結する「インビボ(in vivo)」のゲノム編集プラットフォームを開発している。 同社の技術の特徴は、ゲノムの中にもとから存在する冗長な配列を利用し、特定の変異に依存しない「変異非依存型」の治療法を設計している点にある。これにより、同じ疾患を持つ患者であれば、個々の変異の違いにかかわらず、既製の医薬品として同じ治療を届けられる可能性が生まれる。独自のデジタル標的探索プラットフォームと組み合わせることで、複数の疾患に対応する治療法を効率的に開発することを目指している。
StarTextで全文を読む →