工学

人々が、もっと多くのことができるように力を与えること

iRobot Corporation(アイロボット)

家庭用ロボット掃除機の開発

ロボットは工場や軍事施設で使われる特殊な機械であり、一般家庭にロボットを置くという発想自体、当時の消費者にとって現実味のないものだと考えられていた。

特別な存在としてのロボットではなく、誰もが面倒に感じる掃除という日常の家事を黙々とこなす「気づけばそばにいる」道具としてロボットを設計し直し、一般家庭に溶け込ませた。

iRobot Corporationは、アメリカ・マサチューセッツ州ベッドフォードに本社を置くロボット企業である。1990年の設立以来、家庭用のロボット掃除機「ルンバ」をはじめとする自律型ロボットを開発し、世界50カ国以上の家庭に製品を届けてきた。日本市場にも早くから進出しており、日本国内のロボット掃除機市場でも長年にわたり高いシェアを維持してきた企業として知られている。 同社が目指してきたのは、人が嫌がる「退屈で、汚れていて、危険な」作業を代わりに引き受けるロボットをつくることである。床を掃除するという、誰もが面倒に感じながらも見過ごしてきた日常の作業に目をつけ、センサーとソフトウェアの力で部屋の形を認識しながら自律的に掃除をするロボットを実用化した。単に技術的に優れているだけでなく、価格や大きさ、動作音まで一般家庭に置いても違和感のない製品に仕上げた点が、家庭用ロボット普及の突破口になった。 一方で同社は、軍事・防災分野向けのロボット開発でも実績を積んできた。爆発物処理や災害現場での偵察に使われるロボットは、家庭用ロボットとは異なる過酷な環境での信頼性が求められる分野であり、iRobotはこの両輪の技術開発を通じて、ロボットが人の代わりに危険な仕事を引き受けるという発想を一貫して追求してきた。

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