工学

岩谷技研は、新たな技術で人類が「まだ見ぬ未来を創る」会社です。

株式会社岩谷技研

気球による成層圏遊覧サービスの開発

宇宙に行くには莫大な費用をかけてロケットを開発し、長期間の厳しい訓練に耐えられる限られた人だけが乗り込める、特別で危険な旅だというのが世の中の当たり前のイメージだった。

ロケットではなく気球を使うことで、特別な訓練を必要とせず、費用さえ用意できれば誰でも成層圏まで行ける仕組みをつくった。

株式会社岩谷技研は、北海道江別市に本社を置く宇宙開発企業である。自社開発した高高度ガス気球と気密キャビンを使い、地上から気軽に成層圏まで行って戻ってくる「宇宙遊覧フライト」の実現を目指している。対象となるのは、宇宙からの景色を一度は見てみたいと考える一般の人々のほか、人工衛星の部品や宇宙で使う機材を打ち上げ前に試験したい企業、災害時の通信手段を必要とする自治体や企業など幅広い。 気球というと、熱気球のように空気を温めて浮かぶものを想像しがちだが、岩谷技研が使うのは空気より軽いヘリウムガスの浮力で上昇する「ガス気球」である。2人乗りのキャビンをこのガス気球に吊り下げ、高度18,000〜25,000メートルほどの成層圏まで1〜2時間ほどかけて上昇し、地球の丸みや宇宙空間に近い漆黒の景色をしばらく眺めたのち、パラシュートで地上に帰還する。キャビンの中は気圧や酸素・二酸化炭素の濃度が自動で管理されており、宇宙飛行士のような特別な訓練や宇宙服なしで、幼い子どもから年配の人まで乗ることができる。 気球を飛ばすこと自体は難しくないが、事前に予定した場所へ正確に着地させ、確実に回収することは長年の技術的な課題とされてきた。岩谷技研は、気球の飛行経路を予測する解析技術を独自に磨き上げ、高い確率での回収を実現しており、この技術力を活かして人工衛星の試験や空撮など、宇宙遊覧以外の分野でも企業からの依頼を受けている。 「宇宙と言えばロケット」という考え方が根強い中、気球という手段だけで宇宙遊覧に必要な気密キャビンや生命維持装置、通信機器までを一貫して自社開発してきた点が、岩谷技研の大きな特徴である。旅行会社や自動車メーカーなど他業種との共創を進める「OPEN UNIVERSE PROJECT」を通じて、より多くの人が宇宙の景色を体験できる社会を目指している。

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