工学

半導体から、実戦配備まで。

MILLIBEAM(MILLIBEAM Pty Ltd)

RF半導体と無線システムの一貫開発

無線通信システムは、あらかじめ用意された既製の部品を、複数のメーカーから買い集めて組み立てるのが業界の当たり前とされてきた。個々の部品の性能を高めても、システム全体の壁は超えられないと考えられている。

MILLIBEAMは逆に、半導体チップからアンテナ、無線方式の設計までを、一つの会社で一貫して手がける。部品を寄せ集めるのではなく最初から一体で設計することで、既製品の組み合わせでは届かない小型・省電力・長距離の無線システムを実現している。

MILLIBEAMは、オーストラリア・シドニーを拠点に、無線通信に使う半導体チップとアンテナ、電波方式(アーキテクチャ)を一貫して設計する企業である。多くの無線システムは、複数のメーカーが個別に製造した部品を組み合わせてつくられるが、MILLIBEAMはチップの回路設計から、それを載せる無線機の仕組みまでを自社で開発している点が特徴である。 同社の技術は、携帯電話が使うミリ波と呼ばれる高い周波数帯の無線通信のほか、ドローンやロボット、人工衛星といった自律的に動く機械同士をつなぐ通信にも応用されている。半導体とアンテナ、電波方式を切り離さずに設計することで、限られた重さや消費電力の中でも、より遠くまで、より安定して電波を届けられるようにしている。 現在同社が力を入れているのが、ドローンの電波を妨害して無力化する対ドローン機器の開発である。従来の対ドローン機器の多くは、既製の無線部品を組み合わせてつくられてきたが、MILLIBEAMは半導体の設計段階からこの機器のために作り込むことで、1キログラムに満たない重さで持ち運べる装備に仕上げようとしている。オーストラリア政府からの支援も受けながら、自国内で半導体から完成品までを設計・製造できる体制づくりを進めている。

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