和紙×カーボンによる遠赤外線シートヒーターの開発・製造
電気で床や部屋を暖めるには、電熱線や温水パイプのような「線」で発熱させるのが当たり前とされてきた。
「線」ではなく、和紙の技術を応用した「面」全体でムラなく発熱するシート状の素材をつくった。
株式会社MITOMIは、東京都昭島市に本社を置く企業で、独自の特許技術「CJP(カーボン・ジャパニーズ・ペーパー)」を核とした遠赤外線シートヒーターの開発・製造・販売・施工を手がけている。対象となるのは、木材や食品を扱う加工業者、研究機関、住宅や商業施設の暖房を検討する事業者など幅広い。 CJPは、紙パルプに伝導性のカーボン繊維を均一に分散させた、厚さ0.1〜0.4mm程度の薄く柔軟なシート状素材である。和紙と同じ薄さ・軽さでありながら電気を通す性質を持ち、通電すると即座に均一な発熱と高い遠赤外線放射(放射率97%)を実現する。この技術は、住宅向けの電気式床暖房システム「ひなたごこち」をはじめ、OAフロア専用ヒーター、木材や食品の低温乾燥機、電磁波シールド材など、暖房以外の分野にも応用が広がっている。 電熱線や温水パイプのような「線」状の熱源では、どうしても熱ムラや設置場所の制約が生じやすい。MITOMIは、1300年以上の歴史を持つ和紙の抄紙技術にカーボン繊維を組み合わせるという発想で、この課題に「面」で応える道を切り拓いた。脱炭素化が求められる時代において、地域に根ざした中小企業の技術が、省エネルギーで快適な暮らしを支える基盤になり得ることを示す事例だといえる。
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