工学・芸術学

ロボットと職人の力で、石(の建造物や芸術)のルネサンス(復興)を推し進める。

Monumental Labs

ロボットによる石材彫刻

石造りの彫刻や建築装飾は、熟練した職人が何ヶ月もかけて手作業で彫り上げるものであり、費用がかかりすぎて現代の建築には使えない、というのが業界の当たり前とされてきた。

職人の手作業を機械に置き換えるのではなく、ロボットに粗削りを任せ、職人が仕上げに専念することで、彫刻を再びありふれた建材にした。

Monumental Labsは、アメリカ・ニューヨーク州マウントバーノンに拠点を置く企業で、ロボットアームと職人の手仕事を組み合わせて、石の彫刻や建築装飾を製作している。対象となるのは、彫刻作品を求める美術館・コレクター・アーティストと、装飾性のある建物のファサードを求める建築家・デベロッパーである。 同社の工房では、7軸の産業用ロボットアームがダイヤモンド先端のミル刃を使い、大理石や石灰岩などの塊から大まかな形を削り出していく。設計データはPowerMillなどのソフトウェアで作成され、シミュレーションを経てロボットに送られる。ロボットが得意とするのは、同じ形を繰り返し正確に、何時間でも削り続けるという作業であり、細かい仕上げや、内側の鋭い角の仕上げなど、ロボットが苦手とする部分は、専門の石彫刻家が手作業で仕上げる。 この分業によって、例えば熟練の職人だけで作れば9万ドルかかる装飾柱頭を、ロボットと職人の組み合わせによって3万ドル程度まで抑えることができる。石造りの彫刻や装飾は、第二次世界大戦後、人件費の高騰とともに建築から姿を消していったが、Monumental Labsはこの製法によって、石を再びコンクリートやガラスと価格面で競争できる建材にしようとしている。

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