陸上養殖によるプレミアム魚介類の生産
高級な魚介類は海でしか育てられず、天候や乱獲、長い輸送によって品質や供給が左右されるとされてきた。ヨーロッパで消費される魚介類の多くは、遠く離れた海外からの輸入に頼らざるを得ないと考えられている。
Oceanloopは逆に、海から離れた陸上の閉鎖循環型の水槽の中に、天然の海と変わらない環境をつくり出す。水を循環・ろ過し続けることで、季節や天候に左右されず一年を通して同じ品質の魚介類を、消費地の近くで育てられるようにしている。
Oceanloopは、ドイツを拠点に、閉鎖循環式の陸上水槽で高級な魚介類を育てる技術と、実際の養殖・販売までを一貫して手がける企業である。取り扱う魚介類は、白身がしっかりとした高級魚のジャイアントグルーパー(タマカイ)や、エビをはじめとする海の幸で、レストランや高級食材店、消費者に向けて販売している。 従来の陸上養殖の多くは、丸い水槽と長い配管を組み合わせた設備を使うが、Oceanloopは工学、生物学、ソフトウェア、運用のノウハウを10年以上かけて組み合わせた独自のシステムを採用している。水質や水温、酸素濃度といった飼育条件をきめ細かく制御し、AIを使った映像監視で魚のストレスや健康状態を常に確認しながら、抗生物質に頼らずに育てている。 現在はドイツ・キール近郊の研究開発農場で年間約20トンのジャイアントグルーパーを生産しており、伝統的な日本の活け締め技法で処理してから、ヨーロッパ各地のレストランや卸売業者に届けている。今後は同じ場所によりの生産規模の大きい実証農場を建設するとともに、スペイン領グランカナリア島に年間1000トン規模の産業用施設を計画しており、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを活用しながら、輸入に頼らないヨーロッパ産の高級魚介類の供給網を築こうとしている。
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