光量子コンピュータの実用化開発
量子コンピュータは超電導方式などが主流とされ、実用化には巨大な冷却装置や複雑な配線を伴う特別な設備が欠かせないとされてきた。そのため一部の研究機関や大企業だけが挑める、遠い未来の技術だと考えられている。
東京大学で25年以上培われてきた「光」を使う量子計算の研究をもとに、常温で動作し、光通信ですでに使われている部品をそのまま生かせる方式に狙いを定めた。巨大な冷却装置を不要にすることで、量子コンピュータを一部の研究室から社会のインフラへと引き出そうとしている。
OptQC株式会社は、光を使って計算を行う「光量子コンピュータ」を開発し、企業や研究機関に提供することを目指す東京大学発のスタートアップである。量子コンピュータは次世代の計算技術として世界中で開発が進められているが、多くの方式は動作のために極低温の環境や複雑な配線を必要とし、大規模な設備投資が避けられないという課題を抱えてきた。 OptQCが採用する「光量子」方式は、常温で動作させることができ、光ファイバー通信の分野ですでに実用化されている部品や技術をそのまま活用できるという特徴を持つ。これにより、冷却設備にかかる電力やコストを抑えながら、量子ビットの数を増やしていくことが、他の方式に比べて容易になるとされている。 2026年には、産業技術総合研究所と共同で構築した光量子コンピュータの1号機の稼働を開始し、クラウド経由で計算資源を貸し出すサービスの提供を目指している。将来的には、最適化問題や人工知能、機械学習といった分野で、企業や研究者が実際に光量子コンピュータの計算能力を使える環境を整えていく計画である。
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