湿地再生型バイオマテリアル(断熱材BioPuff)の開発
高い保温性を持つジャケットの中綿を作るには、ガチョウなどの水鳥から採取するダウンに頼るしかない、というのがアパレル業界の常識だった。
水鳥を犠牲にするのではなく、劣化した湿地に生えるガマ(ブルラッシュ)の綿毛状の繊維から、ダウンに匹敵する断熱材を作り、逆に湿地の再生に貢献する仕組みを作った。
Pondaは、イギリス・ブリストル郊外のエイヴォンマスに拠点を置くバイオマテリアル企業で、乾いてしまった湿地で栽培できる植物繊維から、動物性ダウンに代わる断熱材を開発している。対象となるのは、アウトドアウェアやファッションブランドをはじめ、動物福祉や環境負荷を気にする消費者にウェアを届けたい企業である。 同社の主力製品であるBioPuff®は、湿地に自生するガマ(Typha latifolia、ブルラッシュ)の綿毛状の繊維を原料とした断熱材である。ガチョウなどの水鳥から採取するダウンと同等の保温性・軽量性を持ちながら、水を弾く性質も備えている。原料となるガマは、農業のために排水され炭素を放出し続けている劣化した湿地を、再び水で満たす「パルディカルチャー」という農法によって栽培される点が特徴である。 Pondaはこれまでに、Berghaus、Stella McCartney、Parley for the Oceans、Sheep Inc.など複数のアパレルブランドと協業し、BioPuff®を使った製品を展開してきた。ジャケット1着分のBioPuff®は、湿地の炭素隔離やCO2排出削減、生物多様性の回復、そして農家の収入源の多様化にもつながる設計になっている。
StarTextで全文を読む →