農産物の品質をデジタル化するAI技術
農作物や食品原料の品質を確かめるには、実際にサンプルを取り寄せ、人の舌や目で確認するしかない、というのが農産物取引の当たり前とされてきた。
人の感覚に頼った現物のサンプル確認ではなく、品質そのものをデジタルの指紋に変換し、データとして瞬時にやり取りできるようにした。
ProfilePrintは、シンガポールに本社を置く企業で、コーヒー豆や茶葉、カカオ、穀物などの農産物や食品原料の品質を、AIを使って分析するプラットフォームを提供している。対象となるのは、原料を生産する農家、それを取引する商社、そして仕入れの判断を行う食品メーカーなど、農産物サプライチェーンに関わるすべての事業者である。 従来の取引では、買い手が品質を確認するために現物のサンプルを何度も取り寄せる必要があり、時間もコストもかかっていた。ProfilePrintは、独自に開発したハードウェアでサンプルの分子レベルのデータを数秒で読み取り、それを「デジタルフィンガープリント」と呼ばれる形式に変換する。AIがこのデジタルフィンガープリントを解析し、品質の等級や特徴、産地などを、実際に人が試食・試飲したのに近い精度で予測する仕組みである。 この技術によって、現物のサンプルを物理的に輸送する回数が減り、物流コストや環境負荷を抑えながら、より早く客観的な品質判断を下せるようになる。最終的な判断は依然として人間が行うことを前提としており、AIはあくまで意思決定を支援する立場に徹している点も特徴である。
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