極限環境微生物を用いた種子処理用バイオ製品の開発
干ばつや塩害、強い紫外線にさらされた劣化した土壌では、作物の収量を維持することは難しく、化学肥料や農薬に頼らざるを得ない、というのが農業の一般的な前提である。
化学肥料や農薬で土壌を補うのではなく、地球上で最も過酷な環境ですでに生き延びてきた微生物そのものを、作物の根に定着させる形で活用した。
Puna Bio S.A.は、アルゼンチン・トゥクマン州に研究所を置くバイオテクノロジー企業で、アルゼンチン北西部に広がる高地砂漠地帯「プーナ」の塩湖周辺で発見された極限環境微生物(エクストリモファイル)を活用した、種子処理用の微生物製剤を開発している。対象となるのは、干ばつや塩害、土壌劣化に直面する大豆・小麦・大麦・綿花などの生産者である。 同社が扱う微生物は、オゾン層も酸素もほとんどなかった35億年前の地球環境を思わせる、強い紫外線・高地・乾燥・塩分という過酷な条件の中で生き延びてきた菌株である。これらを種子に定着させることで、植物の栄養吸収や窒素固定を助け、干ばつや塩害といった環境ストレスへの耐性を高める効果が確認されている。大豆向け製品「Kunza」と小麦・大麦向け製品「Kanzama」は、アルゼンチン・ブラジル・パラグアイ・アメリカでの3作期にわたり、累計80万エーカーを超える農地で導入されてきた。 同社の技術は、肥沃な土壌でも収量を10〜15%向上させる効果が報告されており、化学肥料への依存を減らしながら気候変動への耐性を高める、非遺伝子組み換え(非GMO)の生物由来資材として、国際的な評価を得ている。
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