外来種から作る「侵略的レザー」
高級な革製品を作るには、希少な動物やワニ、ヘビなど本来保護されるべき動物を利用するしかなく、皮革産業と生態系保全は両立しない、というのが長年の常識だった。
保護すべき動物の革を使うのではなく、生態系を破壊している外来種の駆除で生じる皮を革製品にすることで、消費行動そのものが生態系の回復につながるようにした。
Quintessence Marine Inc.(商号:INVERSA、Inversa Leathers)は、アメリカ・フロリダ州タンパに拠点を置く企業で、ライオンフィッシュ・ビルマニシキヘビ・外来種のコイなど、生態系に深刻な被害を与えている外来種の皮を使った高級「侵略的レザー」を開発・販売している。対象となるのは、サステナブルな素材を求めるファッションブランドや、環境に配慮した消費を望む消費者である。 外来種は、天敵のいない環境で爆発的に増殖し、在来種を食い尽くすなどして生態系に深刻な被害を与えている。例えば、フロリダのエバーグレーズに生息するビルマニシキヘビ1匹は、生涯で460頭もの動物を捕食するとされる。INVERSAは、こうした外来種の駆除と引き換えに漁業者に対価を支払う仕組みを作り、駆除された個体の皮を丁寧になめして高級皮革へと加工している。1枚の皮をなめすのに使う水は、牛革の製造に比べてごくわずかで済むという。 同社の技術は、単に環境負荷を減らすサステナブルを超えて、消費者が製品を購入すること自体が生態系の回復につながるリジェネラティブ(環境再生型)なビジネスモデルとして評価されている。すでに50を超えるファッションブランドと提携しており、これまでに5万頭以上の外来種を除去してきたとされる。
StarTextで全文を読む →