地域コミュニティ主導型の観光事業
メキシコの先住民や農村地域が持つ豊かな自然と文化は、観光資源として都市部の大手事業者や外国資本に消費されるだけで、住民自身の暮らしの向上にはつながりにくいものだと考えられてきた。自然保護と地域の経済的自立も両立しにくいと見なされてきた。
Rutopíaは、旅行の設計や現地案内を地域住民自身が担うホスト型の仕組みをつくることで、旅行者が支払う対価を直接コミュニティに還元し、自然保護と地域の経済的自立を同時に実現する道を切り開いた。
Rutopíaは、メキシコシティのコヨアカン地区に本社を置く、地域コミュニティを主体とした旅行会社である。オアハカ州、チアパス州、ユカタン半島、カンペチェ州など、メキシコ各地の先住民・農村コミュニティと提携し、現地の住民自身がホストとなって旅行者を迎える体験を企画・提供している。旅行者は現地専門のトラベルデザイナーによって一人ひとりの希望に合わせたオーダーメイドの旅程を組んでもらい、滞在中も現地スタッフによるサポートを受けられる。 同社の事業モデルは、大手ホテルチェーンや外部の観光開発業者が主導する従来型の観光とは一線を画す。地域の生物多様性や伝統文化を守りながら、養蜂や伝統料理づくり、織物工房の見学、保護区でのハイキングといった体験を提供することで、訪問者に地域の自然と文化を深く知ってもらうと同時に、その対価を直接地域コミュニティの雇用や生態系の回復に振り向ける仕組みを整えている。 Rutopíaは、メキシコで初めてBコープ認証を取得した観光企業であり、これは環境・社会・ガバナンスに関する一定の基準を満たしていることを示す国際的な認証制度である。現在はメキシコ国内の複数の州で地域コミュニティと提携し、5,000件を超える旅行を手配してきた実績を持つ。
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