水産学・農学・理学

海藻で海も人もすこやかに

合同会社シーベジタブル

地下海水を使った海藻の陸上養殖

海藻は海で育てるか、天然のものを採取するしかなく、天候や海況によって収穫量が大きく左右されてしまう、というのが海藻生産における長年の当たり前だった。

海で育てたり天然物を採るのではなく、地下海水を使って陸上のタンクで育てることで、天候に左右されず安定的に海藻を生産できるようにした。

合同会社シーベジタブルは、高知県安芸市に拠点を置く企業で、地下海水を使った独自の陸上養殖技術と、海面での養殖を組み合わせ、スジアオノリをはじめとする多様な海藻の生産・販売を行っている。対象となるのは、海藻を原料として使う食品メーカーや飲食店、そして海藻を使った新しい料理を提案するシェフたちである。 お好み焼きなどに使われるスジアオノリは、主産地である高知・四万十川周辺で、水温上昇などを要因に30年間で水揚げ量が10%以下にまで落ち込むなど、天然資源としての供給が不安定になっていた。シーベジタブルは、地下海水を汲み上げて使うことで、天候や海況に左右されない安定的なスジアオノリの陸上養殖モデルを世界で初めて確立した。この技術は高知県から岩手県、三重県、愛媛県、熊本県など全国10か所以上の拠点に展開されている。 同社は生産だけでなく、社内のシェフとともに海藻の新しい食べ方や加工方法の開発にも取り組んでおり、コペンハーゲンの名店nomaの関連レストランなど、国内外の飲食店でシーベジタブルの海藻が採用されている。日本各地の海から海藻が減少している磯焼けという課題に、生産と食文化の両面から向き合っている。

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