工学・理学

兵士が最初にドアを開けて危険に踏み込む必要はない、という発想からAIパイロットで戦場の常識を変える

Shield AI

GPSや通信が使えない環境でも自律飛行するAIパイロットソフトウェア「Hivemind」の開発、およびそれを搭載した無人機・戦闘機の製造

建物内やGPSの通じない戦場で状況を把握するには、兵士自身が最初にドアを開けて危険な場所に足を踏み入れるしかない、というのが市街地戦における長年の常識だった。

人間の兵士を先に行かせるのではなく、GPSや通信に頼らず自律的に飛行・判断するAIパイロットを開発し、無人機や戦闘機に搭載することで、人間より先に機械が危険な場所に踏み込む仕組みを作った。

Shield AI, Inc.は、米国カリフォルニア州サンディエゴに本社を置く防衛関連の技術企業で、GPSや通信が使えない環境でも自律的に飛行・判断するAIパイロットソフトウェア「Hivemind」の開発と、それを搭載した無人機・戦闘機の製造を手がけている。対象となるのは、市街地戦や偵察任務における兵士の安全確保を必要とする米国防総省や国土安全保障省、同盟国の軍関係機関である。 Hivemindは、経路計画・地図作成・自己位置推定などのアルゴリズムと強化学習を組み合わせ、GPSも通信も使えない環境下で機体が自律的に飛行・意思決定を行うことを可能にする技術である。2018年に投入された小型無人機「Nova」は、建物内に人間より先に入り、IEDや立てこもり犯を発見する任務向けに開発され、米特殊作戦軍で実戦投入された初のAIパイロット搭載無人機となった。 その後、長距離偵察・目標捕捉に使われる無人機「V-BAT」がウクライナでの実戦運用で成果を上げたほか、2023年には米空軍のF-16パイロットとAI操縦機による模擬空中戦を世界で初めて実施し、2025年10月には滑走路を必要としないAI操縦の戦闘機「X-BAT」を発表するなど、無人機から有人機領域まで自律飛行技術の対象を広げている。2024年から2025年にかけては元Proofpoint CEOのゲイリー・スティール氏を新CEOに迎え、企業として次の成長段階に入っている。

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