AIによる新薬候補分子の設計
AIを使った創薬は、まず狙うべき生体分子(標的)を定め、その標的に効きそうな化学構造をAIに設計させたうえで、後から生物学的な効果を実験で確かめるという順序で進めるのが一般的だと考えられてきた。
サイテラは、この順序をあえて逆転させ、既存の治療が効かなくなった患者本人の生体サンプルから得られる反応データを先に学習させ、そこから逆算して新しい分子をAIに設計させるという、患者の生体を出発点とする創薬に取り組んでいる。
Sightera Biosciences BVは、ベルギー・アントワープを拠点とするAI創薬企業である。アントワープ大学とアントワープ大学病院からのスピンオフとして、既存の治療法が効かなくなった進行がんなどの患者から得られる生体サンプルをもとに、独自の薬剤反応データセットを構築している。このデータで学習させたAIモデルを使い、患者の生物学的な反応から着想を得た低分子医薬品候補を設計する点が特徴である。 現在の主な研究対象はがん領域と線維症領域で、主力プログラムは、特定の遺伝子変異を持つ膵臓がん、胆道がん、大腸がんを標的とする分子候補である。マウスを使った膵臓がんの実験で有望な結果が得られているほか、大腸がんや胆道がんの培養実験でも良好なデータが得られているという。2026年には、複数のベンチャーキャピタルが主導するプレシード資金調達ラウンドを実施したと発表している。
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