携帯型無菌手術環境システムの開発
安全な手術を行うには、清潔に保たれた専用の手術室と設備の整った病院が不可欠であり、紛争地域や被災地、医療資源に乏しい遠隔地では、十分な外科医療を受けられないのはやむを得ないことだと考えられてきた。
SurgiBoxは、手術室そのものを丸ごと運ぶのではなく、患者の体の周囲だけを覆う小型のインフレータブル(空気で膨らむ)無菌環境をバックパックに収まるサイズで実現し、手術室がない場所でもどこでも安全な手術を行えるようにした。
SurgiBox Inc.は、米国マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置く医療機器企業である。同社が開発した「SurgiField」は、患者の体の周囲だけを覆うインフレータブルな無菌環境で、HEPA(高性能)フィルターを通した空気で内部の陽圧を保つことにより、手術室と同水準の清潔な環境を、電源や専用施設がない場所でも数分で構築できるようにする装置である。 SurgiFieldは、透明な素材でできた覆いが患者の体を包み込み、医師や看護師は覆いに設けられた開口部から手を入れて処置にあたる。この仕組みにより、災害救援や紛争地域、医療資源の乏しい遠隔地など、通常の手術室を用意できない環境でも、感染のリスクを抑えた状態で創傷処置や外科手術を行うことができる。実際に、ウクライナやミャンマー、ヨルダンなど紛争や災害の影響を受けた地域で使用されてきたほか、手術待ちの患者が多い病院での手術能力の補完策としても導入が進められている。 同社の製品はISO 13485の認証を取得しており、トルコの保健省をはじめ複数の国で医療機器としての承認を得て、販売が進められている。
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