工学・理学

ロボットハンドが、人とともにある日常へ。未来は、遠くにあるものじゃない。手の届くところから変わっていく。

株式会社Thinker

近接覚センサーによる「指先で考える」ロボットハンド

産業用ロボットが物をつかむには、カメラによる画像認識で対象物の位置・形状を事前に把握する必要があり、ばら積み品や不定形物、透明・鏡面素材には対応できない、というのがロボットハンド開発における長年の常識だった。

カメラによる視覚的な把握だけに頼るのではなく、赤外線とAIを組み合わせた近接覚センサーで、対象に触れる直前の距離・傾きを検知し、手探りするように対象をつかめるようにした。

株式会社Thinkerは、大阪府大阪市に本社を置く企業で、独自の「近接覚センサー」技術を核とした協働ロボットハンド「Think Hand F」や、センサー単体製品「近接覚センサー TK-01」を開発・製造・販売している。対象となるのは、人手不足に悩む製造業・物流業の現場で、部品や製品のピッキング作業の自動化を必要とする企業である。 従来の産業用ロボットは、カメラによる画像認識で対象物の位置や形状を把握するため、ばら積みされた部品や不定形な製品、光を反射しやすい透明・鏡面素材への対応が難しく、導入先ごとに煩雑な調整(ティーチング)作業が必要だった。Thinkerは、赤外線とAIを組み合わせ、毎秒200回のデータ取得によって対象物までの距離と傾きを高速・高精度に検知する近接覚センサーを開発し、これをロボットハンドの指先に搭載することで、視覚だけに頼らず手探りするようにモノをつかむ技術を確立した。 同社のロボットハンドは、指の部分が構造的にわずかに浮いたバネ機構になっており、対象物との接触を柔軟に受け止められる設計になっている。この仕組みによって、専門知識を持たない現場の担当者でも、多様な工程に柔軟に対応できるロボットの導入が可能になり、マテリアルハンドリング分野におけるロボット化の壁を取り除くことを目指している。

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