工学・理学

これまでの伝統的な材料やプロセスでは決して到達できなかった次元のパフォーマンス(性能)を解放すること。そして、宇宙、航空、防衛、エネルギー、先端製造業といった極限の環境に挑む次世代ハードウェアの進化を支える『新しい産業時代の基盤(Foundation)』となること

Foundation Alloy

高性能金属合金の開発

金属を作るとは「溶かして混ぜて固める」こと——青銅器時代から数千年、この原理は変わっていない。新しい合金を実用化するには莫大な投資と何年もの時間がかかる。だからエンジニアは、祖父の世代が使った金属を、いまも使い続けるしかなかった。

金属を一度も溶かさずに作る。粉末を原子レベルで混ぜ合わせ、そのまま焼き固める。「溶かす」という数千年の大前提を外したことで、開発期間は10分の1、強度は2倍になった。材料が技術の限界を決めるなら、材料そのものの作り方を変えればいい。

Foundation Alloy(ファウンデーション・アロイ)は、MIT(マサチューセッツ工科大学)発のスタートアップで、これまでにない高性能な金属合金を製造する企業です。2022年に設立されました。 同社の技術の核心は、「金属を溶かさない」ことにあります。 金属を作るというのは、何千年ものあいだ「溶かして混ぜて固める」ことでした。青銅器時代から現代の製鉄所まで、この原理は変わっていません。Foundation Alloyは、この大前提を捨てました。 同社の「固相冶金(solid-state metallurgy)」と呼ばれる手法では、粉末状の金属原料を、特殊な工業用ミキサー(CEOは「工業用のKitchenAidミキサー」と呼びます)で混ぜ合わせます。この時点で、原子レベルまで均質に混ざった金属粉末ができます。この粉末を、金属射出成形、プレス、あるいは3Dプリンタで成形し、炉で焼き固める(焼結する)ことで部品が完成します。原料から最終製品まで、一度も金属を溶かしません。 結果として生まれる合金は、従来の金属の2倍の強度を持ち、開発にかかる時間は10分の1になります。新しい金属を試作し、改良し、製品に組み込むまでが、数年ではなく数か月で済むのです。 主力製品のひとつ「Molyclast™」は、モリブデン系の合金で、現在の業界標準であるTZMの3倍の硬度を持ちながら、割れにくさも保っています。顧客は自動車、防衛、航空宇宙、そして核融合炉の部品開発にまで及びます。

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