理学・工学

野生動物と「戦う」から「話す」へ

Flox Intelligence

航空機と野生動物の衝突による損害と遅延は世界で年10〜15億ドル。米国では野生動物と車両の衝突が年100万件を超え、損失は100億ドル以上にのぼる。都市開発や交通網の拡大で、動物の移動経路は狭まり続けている。

空港や線路、道路から動物を遠ざける方法は、威嚇装置で追い払うか、フェンスで締め出すか、駆除するか。 人間にとって野生動物は、取り除くべき「障害」として扱われてきた。

Flox Intelligenceは発想を反転させる。CEOのサラ・ノズコヴァは「長年、私たちは野生動物と戦ってきた。でも、もし彼らとコミュニケーションできたら?」と問う。 AIと生物音響学、行動科学を組み合わせて動物のコミュニケーションを読み解き、その種に固有の音を使って、傷つけることなく危険な場所から遠ざける。動物を締め出す対象ではなく、意思を通わせる相手として扱う。

米ニューヨーク州シラキュースに本社、スウェーデン・ストックホルムに欧州拠点を置く。 主力製品「Flox Edge」は遠隔地で自律的に動くエッジAI端末。カメラ映像から近づいた動物の種と行動を見分け、その種に合わせた音で、2秒未満のうちに滑走路・線路・道路・農地から遠ざける。1回の充電で約1,800回の追い払いができる。カメラトラップや監視映像を解析する「Flox Insights」、庭や私有地向けの小型版「Flox Home」も準備中。空港、道路、鉄道、農業・畜産、自然保護区、エネルギーインフラなど、60以上の事業者が導入している。

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